ケーキ職人やパティシエを目指す方にとっては、みんなに喜んでもらったり、ショーケースの前でワクワクするようなケーキを作りたい!と思う人も、きっと多いはず。
では、そんな続々と登場する新商品はどうやって生まれるのでしょう?
今回はケーキやスイーツの“商品開発”を一般的な例と、『ちょっと特殊な例』をご紹介します。
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そもそも、ケーキを製造・販売しているのは?
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私たちが普段食べているケーキ。
どんな会社が作って、私たちの手元に届いているのか…。
そんな知っているようで知らないことを、実際にプリムイベソン株式会社で製菓製造現場責任者を務めている、加藤さんからお聞きしました。
簡単に整理してみると、以下の3つのパターンが一般的だそうです。
どんな会社が作って、私たちの手元に届いているのか…。
そんな知っているようで知らないことを、実際にプリムイベソン株式会社で製菓製造現場責任者を務めている、加藤さんからお聞きしました。
簡単に整理してみると、以下の3つのパターンが一般的だそうです。
<OEMメーカー>
▶▶▶自社の店舗や自社ブランドで販売するケーキを製造するのではなく、コンビニやスーパー、カフェなどから依頼を受け、商品を開発・製造。味だけでなく、価格や日持ち、大量生産のしやすさも重要です。
≪どこで販売されてる?≫
スーパーやコンビニエンスストア、自社にケーキ製造設備・環境が無いお店やカフェ、自社だけで製造しきれない商品を外部に委託しているスイーツ専門店など
<洋菓子メーカー>
▶▶▶自社ブランドの商品を企画・製造し、自社の店舗で販売する企業。パッケージや販促まで含めてブランドづくりをしています。
≪どこで販売されてる?≫
デパートやショッピングモール、ロードサイドの路面店などの店舗(チェーン店)など
<パティスリー>
▶▶▶パティシエ・パティシエール、ケーキ職人が手掛け、店舗併設の厨房などで製造し、販売する店舗。お客様の反応を近くで感じながら改良できるため、作り手の感性やこだわりを活かせます。
≪どこで販売されてる?≫
個人店や、小規模の店舗
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新作ケーキ誕生の流れ(一般的なイメージ)
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製造・販売もとが異なれば、当然ながら『新商品』が生まれるまでの流れも、それぞれ大きく異なっています。
簡単に流れを比較すると以下のようになります。
簡単に流れを比較すると以下のようになります。
<OEMメーカーの場合>
基本的には取引先(委託元の企業)から「こんなケーキを作りたい」という依頼があり、その要望をもとにOEMメーカーの商品企画・開発担当者が、依頼内容をもとに商品イメージを提案、中には、取引先がレシピやデザインも指定して、OEMメーカーに依頼することもあります。
取引先から指定された予算も考慮した商品を試作し、取引先の商品企画部門からOKが出れば商品化が決定。取引先のブランド名で全国の店舗などで、販売されます。
<洋菓子メーカーの場合>
目標とする販売時期の数カ月前からマーケティング部門などがトレンドを調査し、商品企画メンバーが、それぞれ新商品企画案を持ち寄り、企画会議にて候補を決定。デザイナーや製造部門と、実際にどのようなビジュアルにするか、どのような果物・材料を使うか、既存の材料の仕入れ先が扱っている材料か…など、確認・打合せをした上、再度企画会議に提出。試作した商品を企画会議で商品化が決定します。
商品化されたものは、自社で運営している店舗やブランド名で販売されます。
<パティスリーの場合>
店のオーナーパティシエ(シェフ)が自らのアイデアや経験、お客様からの声などをもとに、商品を企画し、試作。スタッフにも試食してもらうなど、身近な人たちの声も参考に商品化を決定!
パティシエ本人が決定権を持っているため商品化決定、店舗での販売までは比較的短期間になり、直接お客様からの声を聞けることが多いため、随時改善していくことができます。
▼▼これらからわかること▼▼
新人スタッフが、自身の企画したケーキを
“商品化”するためには、ハードルがいくつもある
…ということ。最初は計量のみ…だったり、最後にフルーツを乗せるだけといった作業ばかり、ということもしばしばです。
ですが、これは『一般的』な例。
ですが、これは『一般的』な例。
企業やお店によっては、社員や製造スタッフなどから新商品企画をアンケート形式で募って、そのアイデアをもとに商品企画部門で検討したり、パティスリーであれば新人スタッフにも商品企画にチャレンジできる機会を与えてくれる店もあります。
さらに、中には
OEMメーカーながら、自社の商品を販売する店舗持つ会社もあります。
そんなちょっと“特殊”な例も、ご紹介します。
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「取引先の商品を作るだけ」ではない。
一般的なOEMメーカーとの大きな違いは?
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今回詳しくお話をお聞きした加藤さんが勤務する『プリムイベソン株式会社』はまさにその特殊な例。
同社は長年、OEMメーカーとして東海地方のコンビニのデリカフーズを製造。2025年より製菓部門の運営を他者より引継ぎ、取引先から依頼されたロールケーキを主体とした商品を製造しています。
同社の最大の特徴が、OEMメーカーとしてスーパーやドラッグストア、道の駅など多くの商品を製造しながら、自社直営店舗(工場併設店と、名古屋市内・大曾根の“pâtisserie J'ouvre”)でオリジナルのケーキ・スイーツを販売。この業界ではちょっと珍しい形態で運営しています。
自社商品づくりもベースがOEMメーカーならでは。
たとえば、OEM向けに試作した商品を、自社店舗向けにアレンジして販売することがあったり、どうしても製造工程で余ってしまうことの多い材料・素材を活かし、自社店舗で販売する新商品を生み出すことも。この点は一般的なOEMメーカーや洋菓子メーカー、パティスリーと大きな違いです。
そして、この「商品企画」の流れも、一般的な流れとは大きく異なっています。
「うちでは、工場で製造に携わっているスタッフのアイデアで、新商品づくりをしているんです」
そう話す加藤さん。製造部門を統括するだけではなく、店頭での販売にも携わっている方です。
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ケーキが好きで、ケーキづくりに携わっている。
その意見が一番、消費者の皆さんに近いはず。
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加藤さんのその考えのもと同社の商品の多くは、現場スタッフの声から新商品が生まれています。
OEMメーカーは基本、取引先企業が企画した商品を製造し、一般的な洋菓子メーカーでは、新商品開発には複数の会議や承認が必要となり、商品化までに数カ月以上かかることも珍しくありません。
一方で、同社では、現場から出たアイデアによる商品企画が主流。
「スタッフの提案の95%は、そのまま採用しています」
と、加藤さん。
「中には「これはボツにした方が…」と思う商品も、まずは一度商品化するようにしています」。
…というのも、様々な商品の製造に携わっているスタッフは日々の業務を通じて、
・余りやすい材料や素材
・配送中に崩れにくい形状
・お客さんに手に取ってもらいやすいデザイン
…それらが自然と身に付いていることと、自社で工場も店舗を持っているため、短期間で店頭に並べてお客様の反応を見ることができるからです。
「それに、ケーキが好きで、この仕事に携わっている人ばかりですから、その視点や意見が何よりも大切だと思っているので、私は基本口出しはしないんです」
「余りそうな素材・材料を活用することが多いですが、特に細かいルールを決めずに、自由にアイデアを出してもらってます」
…とのこと。
自分の考えた商品が、実際にショーケースに並び、お客様の手に届く。
「私がボツにした方がいいかな…と悩んだ商品が、お客様に好評ということも少なくなくて、現場スタッフやお客様から学ばせてもらっています」と、同社の商品開発方法に手ごたえを感じているそうです。
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今期の新商品は3つとも、現場スタッフからの提案!
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同社がこの春に新たに発表した商品は、3つ。
同社がこの春に新たに発表した商品は、3つ。
ひな祭り商品を扱ったことからヒントを得た“プリンセス”という名前のケーキと、
厳選した季節の果物を使った“フルーツタルト”、
そして「美味しくて安定の人気があるだけではなく、製造現場でも作りやすいので…」と、復刻商品として“ティラミス”を販売。
そして「美味しくて安定の人気があるだけではなく、製造現場でも作りやすいので…」と、復刻商品として“ティラミス”を販売。
このいずれもが、現場スタッフからの発案です。
単にケーキやスイーツを作る「製造業務」だけではなく、「新しい商品を生み出す楽しさ」の両方を経験できるのが、プリムイベソン株式会社の最大の特徴。
工場併設の店舗では、製造に携わる現場スタッフも来店されるお客様に対応することもあるので、直接感想を聞くことができるのも、スタッフのモチベーションになっているとか。
「自分の企画したケーキを、自分で作れるのもウチならではだと思います!」
…と、スタッフからは喜びの声も。
現場スタッフは少人数のため、クリスマスシーズンとなると、まさに戦場!?のような忙しさはあるものの、商品づくりに自分のアイデアを活かせるチャンスの豊富さから考えると、そんな忙しさは気にならない…とのことでした。
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「好き」を最大限に活かせる仕事選びを!
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製菓の仕事は、「お菓子が好き」「自分が考えたケーキを、多くの人に届けたい」という気持ちから始まる人がほとんどでしょう。ですが「仕事」にした途端、現実と理想のギャップを感じてしまう人も少なくありません。
ひとことで「ケーキづくりに携わる仕事」といっても、前半で紹介した一般的なOEMメーカー・洋菓子メーカー・パティスリー、それぞれに役割や特徴があります。この他にも、ホテルのベーカリー部門で製菓に携わる道もありますし、今回取材したプリムイベソン株式会社のようなスタイルの会社も、他にもあるかもしれません。
「好きなお菓子を、本気で仕事にしたい」
そんな想いを持つ方はぜひ、社名やイメージだけで就職先を決めてしまうのではなく、自分の好きな想いをどんな風に活かせるか、しっかりと募集企業・店舗から話を聞くことをおススメします!
