「おいしいお菓子づくり」と聞くと、おいしい味のお菓子を開発することだと思う方が多いかもしれません。しかし、実際には、レシピを生み出した後、品質を守りながら作り、味を落とすことなく安全に私たちの手元に届けるまでが、「おいしいお菓子づくり」です。
今回話を聞いたのは、商品開発を担当するR・Nさん、製造を担当するR・Tさん、加工・出荷を担当するM・Nさん。それぞれ異なる仕事を担う3人に、「おいしい」を形にするために大切にしていることをお話いただきました。
おいしさは、開発だけでは完成しない
開発担当のR・Nさんは、お客様から依頼された商品はもちろん、自分で企画した商品も開発しています。
R・Nさんは、「レシピを考えるだけが開発の仕事ではありません」と話します。
大切なのは「工場で安定してつくれること」。
いくら試作で味や食感を追求しても、それはあくまで開発部署での小規模な製造。
実際に機械を使って大量に作る「製造ライン」で、試作通りに再現できなければ商品にはなりません。
だからこそ、ラインテストでは製造担当と何度も意見を交わします。
「大量生産すると試作とは状態が変わることもあります。現場から『もう少しこうした方が作りやすい』という声をもらいながら、一緒にレシピを完成させています。」
また、開発は「おいしい」とお客様がダイレクトに実感する「味」を決める部署でもあるため、風味が持続できるか、機械で作る際に甘味や酸味などのバランスが取れているか、より最適な原料かどうかなど、慎重に吟味し味を作り上げていきます。
部署を越えて一つの商品を育てていく。それがユキオーの開発スタイルです。
現場だから気づける、小さな違和感を見逃さない
開発からのバトンを受け取るのが製造担当のR・Tさんです。
担当しているのはチョコレートの製造ライン。テンパリングしたチョコレートを充填し、冷却までを管理しています。
「レシピ通りにつくるだけではありません。香料の種類によって温度管理や工程を変えることもあります。」
たとえば香料には、水性と油性があります。水性の香料を使用すると粒子が凝集してチョコが固まりやすくなり、機械のなかでドロドロしてしまいます。それを防ぐには、香料を投入する際の温度が重要なので工程を変更して対応しています。
また、異物混入を防ぐための確認も欠かせません。例えば、製造時に使っているプラスチックトレーは金属探知機では検知できません。
万が一破損して混入することがないようトレイを検品し、万が一混入したものが取り除けるように一時間ごとに点検するなど、徹底しています。
おいしさを守る最後の砦
完成した商品をお客様へ送り出す前の最後の工程を担当するのが、M・Nさんです。
検品や金属探知機での確認、伝票作成、積み込みまで担当しています。
「検品は同じ作業の繰り返しですが、一番集中しないといけない工程だと思っています。」
検品自体は、商品の安全性などを問うものですが、最終工程という自覚を持ち、形や品質の最終チェックも行っています。
フィナンシェのように崩れやすい商品は形まで細かく確認し、チョコレートは季節や気温によって保管方法も変わるため、細やかにチェックをしています。
21度を超えると常温の商品も冷蔵扱いになるため、気温のチェックは欠かせません。
「夏だけでなく、冬場でも直射日光に当たっているとチョコレートは溶けていきます。また、小ロットなのか大量生産なのかでも、温度の管理は異なります。出荷の準備をしっかり行って運送会社の方とも連携しながら、品質を保ったままお客様へ届けることを心掛けています。」
最後の工程まで気を抜かない姿勢が、ユキオーのおいしさを支えています。
一人ではなく、チームでつくるお菓子
困ったことがあれば部署を越えて相談し、より良い商品にするために意見を交わす。その積み重ねが、お客様から選ばれ続ける品質につながっています。
おいしさとは、特別な技術だけで生まれるものではありません。仲間と協力し、それぞれの専門性をつなぎながら、一つの商品を完成させること。そのチームワークこそが、ユキオーのお菓子づくりの原点なのです。
